Date: 1月 27th, 2013
Cate: 岩崎千明
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岩崎千明氏のこと(続×六・Electro-Voice Ariesのこと)

ステレオサウンド 45号掲載の「クラフツマンシップの粋」で、
エレクトロボイスにかつてPatricianと呼ばれる、規模の大きなスピーカーシステムがあったことを知る。

特にPatrician800には魅かれるものがあった。
こんなスピーカーシステムを、エレクトロボイスはつくっていたのか──、
いま(1977年)のラインナップとは大きく異るPatricianシリーズは、
まだ10代なかばの若造でも、堂々とした風格を備えていることは写真から感じとれていた。

Patrician800は他のPatricianシリーズと同様に4ウェイ構成である。
まずこのことにも魅かれた。
JBLの4343が4ウェイであったということ、
すでにステレオサウンド別冊「HIGH-TECHNIC SERIES-1」で瀬川先生の4ウェイ構想の記事も読んでいたこと、
これらのことがPatrician800に魅かれたベースにはある。

それだけではない。
エレクトロボイスがフェノール系のダイアフラムを採用していることも大きかった。

ここでも「コンポーネントステレオの世界 ’77」が関係している。
この別冊のなかで、井上先生が、女性ヴォーカルを聴くための組合せをつくられている。

ジャニス・イアン、山崎ハコの歌を
「聴くもののこころにひっそりと語りかけてくる」ように聴きたいという読者のために、
井上先生が選ばれたスピーカーシステムはフランスのキャバスのフロアー型、Brigantinだった。

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