オリジナルとは(続×十三・チャートウェルのLS3/5A)
マランツのModel 7とマッキントッシュのC22、
真空管コントロールアンプの名器として語られ続けている、このふたつ。
どちらが優秀なアンプなのか、ということになると、どこに価値を置くかによって違ってくる。
すでに書いているようにModel 7は欲しい、という気持がある。
けれどC22に対しては、そういう気持は、まったくとはいわなけれど、ほとんどないに近い。
こう書くと、お前はModel 7の方を優秀とみているんだな、と思われるだろう。
優秀という言葉のもつニュアンスからいえば、Model 7が優秀だと思う。
けれど、どちらもアンプにしても聴くのは音楽である。
そうなると、必ずしもModel 7がすべての面でC22よりも「優秀」とは限らない。
ステレオサウンドが1970年代に出していた「世界のオーディオ」シリーズがある。
McINTOSH号も出ている。
この本の巻末に特別記事として「マッキントッシュ対マランツ」が載っている。
サブタイトルは、〈タイムトンネル〉もし20年前に「ステレオサウンド」誌があったら……、である。
McINTOSH号は1977年秋に出ているから、20年前となると1957年となる。
ステレオサウンドはまだ創刊されていない。
ステレオLP登場直前のころである。
Model 7もC22もまだ世に出ていない。
だから、この記事に登場するのは、マッキントッシュはC8SとMC30をそれぞれ2台ずつ、
マランツはModel 1を2台とステレオアダプターModel 6を組み合わせたものと
Model 2(当然こちらも2台) を用意して、
スピーカーシステムはJBLのハークネスに、プレーヤーはトーレンスのTD124にシュアーのダイネティック。
これらのシステムを、岡俊雄、菅野沖彦、瀬川冬樹、山中敬三、四氏が試聴されている。