the Review (in the past) を入力していて……(その27)
フィッシャー=ディースカウは、マーラーの「さすらう若人の歌」を幾度か録音している。
1952年にフルトヴェングラーと、1968年にクーベリックと、1978年にはバレンボイムと、録音している。
フルトヴェングラーとのレコードについて、黒田先生が、なにかで書かれていたのを思い出す。
クーベリック、バレンボイムとの歌唱は、
フルトヴェングラーとのレコードをうわまわるものではない、とされたうえで、
いかなる名歌手でも、一生に一度しかうたえない歌がある、と。
フルトヴェングラーとの「さすらう若人の歌」以外のものは考えられない、
そんなことを書かれていた。
アンプのエンジニアにも、そういうことがあるとしたら、
クレルのデビュー作、PAM2、KSA100が、まさにそうであろう。