Date: 7月 14th, 2011
Cate: 瀬川冬樹
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確信していること(その16)

「コンポーネントステレオの世界 ’80」の半年後にステレオサウンド 55号が出ている。
特集はベストバイ・コンポーネントである。
この号では、それぞれの筆者が、My Best3を各ジャンルから選び、書いている。
瀬川先生が何を選ばれたのかは、こちらをお読みいただきたい。

別項でも書いているように、パワーアンプのMy Best3は、
ルボックスのA740、マイケルソン&オースチンのTVA1、アキュフェーズのP400であって、
マークレビンソンのML2Lがはいっていない。
コントロールアンプのMy Best3には、LNP2LとML6Lの2モデルがはいっているのに、
この号の9ヵ月前に、「おそるべきリアリティ」で、
大太鼓の強打を聴かせてくれたマークレビンソンのML2がはいっていない。

このときは、正直、なぜなのか? を理解できなかった。
でも、いま振り返ってみると、すでにステレオサウンド 53号に書かれていることに気づく。
この53号の記事とは、
「おそるべきリアリティ」で4343を鳴らしたマークレビンソンのML2、6台によるドライヴのことであり、
この項の(その13)でも引用した文章が、それである。

53号でのオール・マークレビンソンによる「実験」は、瀬川先生にとって劇的な体験であっただけでなく、
このとき以降、求めてられている音、出されている音に変化が顕れてきているはず、と私は読んでいる。

そこにタイミングよく、瀬川先生の前に現れたのがグルンディッヒのスピーカーシステムである、といってしまおう。

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