アンチテーゼとしての「音」(アンチ「自己」・その5)
早瀬文雄(舘 一男)さんは、私が知る限り(聴いている限り)でも、かなりの数のスピーカーシステムを鳴らされている。
割合でいえばJBLが多いけれど、いろんなメーカーのスピーカーを鳴らされている。JBLには強いこだわりがあっても、それ以外のブランドに関してはそれほどでもなかったと感じるほど、
登場したばかりの新しいブランドのスピーカーでも、その音が気に入れば、すぐさま購入して鳴らされていた。
けれどアルテックは……。
私の記憶では、604-8Gの前に、フルレンジユニットの409-8Dを、米松合板の小型エンクロージュアに入れて、という時期が、わずかだけどあった。
この409-8Dは、共通の知人が、余っているからと、舘さんと私に1ペアずつくれたモノ。なので舘さんが購入したアルテックではない。
舘さんが購入した最初のアルテックは、京都での604-8Gのはず。実は、この604-8Gは、上の共通の知人から購入したモノ。
元箱付きの、新品に近いコンディションということで購入した604-8Gが、トゥイーターの断線。
舘さんの落ち込みようはすでに書いているが、続いての、その知人への悪態も、記憶に残っている。
落ち込み方と悪態から、本気でアルテックに取り組もうとしていたことを、隣で感じていた。
そして、そのことが意外であった。舘さんの嫌いな音、もっといえば拒絶する音を知っていたからだ。