Date: 7月 13th, 2026
Cate: 戻っていく感覚
Tags:

My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その9)

五味先生がステレオサウンド 50号掲載の「五味オーディオ巡礼」で書かれている。
     *
もうひとつ業務用パーツとホーム用パーツをつなぐときこわいのは、インピーダンスの合わぬことで、以前、ノイマンの業務用パワーアンプを拙宅でつないだときもそうだった。最近プロ機のスチューダーC37を入手して、欣喜雀躍、こころを躍らせ継いでみたら、まったく高域にのびのない、鼻づまりの弦音で呆っ気にとられたことがある。理由は、C37は業務用だからマイクロホンの接続コードをどれ程長くしてもINPUTの音質に支障のないよう、インピーダンスをかなり低くとってあるため、ホームユースの拙宅のマランツ#7とではマッチしないと知ったのだ。かんじなことなので言っておきたいが、プリアンプとのインピーダンスが合わないと、単にテープの再生音がわるいのではなく、C37に接続したというだけでレコードやFMの音まで鼻づまりの歪んだ感じになってしまった。愕いてC37を譲られた録音スタジオから技術者にきてもらい、ようやくルボックスA700やテレフンケンM28Aで到底味わえぬC37の美音に聴き惚れている。
     *
ルボックスのA700は1977年において688,000円、テレフンケンのM28はM28Cになっていて、こちらは1,3000,000円だった。

どちらも当時のオープンリールデッキとしては高級機である。けれどスチューダーのC37の前では、《ようやくルボックスA700やテレフンケンM28Aで到底味わえぬC37の美音に聴き惚れている》ということになってしまっている。

どれだけすごいんだろうか、C37は、と思ったし、同時に、五味先生がC37で聴かれたのは、A700やM28Aで録音したテープも多かったはず。
つまりテープ再生器としてもC37はとびきりの性能を持つ。ならば録音器として、C37で録音・再生する、その音はどんなだろうか、と、もうこのへんになると、同時高校生だった私にはなかなか想像できなかった。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]