My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その8)
中学生のころ思い描いていた将来のままになっていたら、オープンリールデッキで何を録音していたか。
中学校の理科の先生ななりたいと思っていたから、学校の部活動の録音をやっていたかもしれない。
録音を何度もやることで上達して、前回よりも今回、今回よりも次回と、いい音で録れるようになるんだろうな、とやってもいないことをあれこれ想像していた中学生だった。
録音器としてテープデッキを捉えるのだから、そうなるのだが、スチューダーのC37は私にとっては、最初から別格の存在だった。
スチューダーのC37のことは、「五味オーディオ教室」もほんのわずかだが書かれていた。
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いい音で聴くために、ずいぶん私は苦労した。回り道をした。もうやめた。現在でもスチューダーC37はほしい。ここまで来たのだから、いつか手に入れてみたい。しかし一時のように出版社に借金してでもという燃えるようなものは、消えた。齢相応に分別がついたのか。まあ、Aのアンプがいい、Bのスピーカーがいいと騒いだところで、ナマに比べればどんぐりの背比べで、市販されるあらゆる機種を聴いて私は言うのだが、しょせんは五十歩百歩。よほどたちの悪いメーカーのものでない限り、最低限のトーン・クォリティは今日では保証されている。SP時代には夢にも考えられなかった音質を保っている。
家庭で名曲を楽しむのをレコード音楽本来のあり方とわきまえるなら、音キチになるほど愚の骨頂はない、と今では思っている。
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C37。どんなオープンリールデッキなのか。全く他の情報はなかった。すでに製造中止になっているようだとは、五味先生の文章から伝わってきた。
別項でも触れているが、C37について次に知ったのはステレオサウンド 50号での「オーディオ巡礼」であったし、C37がどんな姿をしているのか、写真を初めて見たのはステレオサウンド 55号の「スーパーマニア」だった。