Date: 2月 27th, 2026
Cate: 戻っていく感覚
Tags:

My Favorite Things(チューナー篇・その16)

1970年代の終り近くになってアンプの音の解析が一歩進んだように感じた。
スルーレート、ライズタイム、TIM歪といった動的特性がクローズアップされるようになってきただけでなく、
アンプの非磁性体化も、各メーカーで取り組むようようになってきた。

サンスイのAU-D907 Limitedがそうだし、ケンウッドのL01A、L01Tもそうだっただけでなく、より徹底していた。

L01Aはプリメインアンプにも関わらず、電源部を独立させている。
筐体も底板に木、フロントパネルにはアクリル材、それにアルミを組み合わせることで構成している。もちろんツマミやスイッチからも磁性体を徹底的に排除している。

それでも最後まで残るのが、電源トランスという鉄のかたまりだ。
とはいえ、電源トランスを排除できるわけではないので、別筐体とすることで、非磁性体化の目標を、可能な限り追求、実現している。

この非磁性体化をチューナーにも持ち込んだのがL02Tだ。
チューナーはプリメインアンプほど電源トランスの容量を必要としないこともあってだろう、L02Tでは電源トランスは本体の筺体内に収められている。

L02Tの特徴は非磁性体化だけではなく、回路的にはL01Aよりも意欲的な試みをやっている。

L01Tを聴く機会はなかった。L02Tは160,000円だった。
トリオのKT9700は150,000円、後継機のKT9900は200,000円だったから、
価格だけで判断すれば、L02Tが突出しているわけではなかった。

それでもトリオ・ブランドのチューナーにはない質感が、L02Tにはあるように感じた。
音は聴いていないものの、チューナーとして中身が全く同じであっても、
筐体がまるで違うのだから、音もかなり違う仕上がりとなっていたはず。

いまも中古品として並んでいるL01Tを見つけると、買ってしまおうかな、という衝動がある。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]