サイズ考(その29)
低音再生について、井上先生が言われていたことがある。
「本気で取り組むのなら、38cm口径ウーファーを片チャンネル当り2本、
30cm口径だったら4本ぐらい、用意するくらいじゃないと、ね」
同じことをステレオサウンドにも書かれていたはずだ。
よくウーファーの口径について語る時、
38cm口径1本と20cm口径4本分の面積は、ほぼ同じだとある。
円の面積だけで考えれば、間違いではない。
井上先生の話を聞いていた時、私も面積で考えていた。
38cm口径2本よりも、面積でいうなら30cm口径4本のほうが広い。
ならば、30cm4本のほうが、好結果が得られるかもしれない、そんなことを安易に思ったこともあった。
同じことは振幅についても言われている。
口径が38cmと20cmの場合、円の面積比は4対1だから、
20cm口径ウーファーの振幅を38cmの4倍にすれば等価である、と。
スピーカーユニットの口径は、円の面積では語れないのである。