Date: 8月 10th, 2023
Cate: ディスク/ブック
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Live at Casals Hall 1987-Complete & Un-edited(その2)

ホルショフスキーのカザルスホールでのライヴ盤(CD)は、
もう手元にない。

なので当時の記憶との比較でしかないのだが、
TIDALでのMQA Studioでの配信を聴いて、こんなに音、良かった(?)だった。

演奏が始まる前のホールのざわめき、拍手の音、
それからホルショフスキーが椅子を引いた時の音、
これらがとても生々しい。

まず演奏が始まる前に驚いていた。
CDを聴いていたころと、いまとではシステムがまるで違う。
そうであっても、当時のCDを他のアルバムでは聴いているのだから、
システムの音の変化は把握しているし、以前聴いているのであれば、
こんなふうに鳴るであろう、という予想はある。

ホルショフスキーのMQAでの音は、その予想よりもずっと良かった。
ホルショフスキーの演奏を聴いていたら、
ジョージ・セルの言ったことを思い出していた。

ずいぶん前に読んでことで、何に載っていたのかはもうおぼえていない。
こんなことを語っていた(はずだ)。

最近の演奏家は楽器を鳴らすことには長けている。
けれど楽器を歌わすことはどうだろうか……、
そんなことを語っていたと記憶している。

セルの時代からそうだったことは、いまの時代はどうだろうか──、
このことについて書いていくと長くなっていくのでやめておくが、
ホルショフスキーのピアノは歌っている。

MQAで聴いていると、そのことがより濃厚に感じられる。
MQAで、いまホルショフスキーを聴きなおしてほんとうによかった、といえるほどにだ。

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