Live at Casals Hall 1987-Complete & Un-edited(その1)
1987年のことだ。
まだステレオサウンドで働いていたころで、昼休み、仕事帰りに、
かなり頻繁にWAVEに通っていた。
クラシック売場にKさんがいた。
頻繁に行くのだから、顔をおぼえられていた。
なにかのきっかけでホルショフスキーのことが話題になった。
そういえばカザルスホールの落成記念で来日しますよ、とKさんに話した。
ホルショフスキーの来日を知らなかったようで、かなり驚いていたKさんは、
さっそくチケットを入手していた。
WAVEはコンサートのチケットも取り扱っていたので、
おそらくかなりいい席を確保されたのかもしれない。
ミェチスワフ・ホルショフスキーは、12月9日と11日をコンサートを行っている。
12月半ばごろ、WAVEに行ったら、Kさんから話しかけられた。
「ホルショフスキーのコンサート、ほんとうに素晴らしかったです。ありがとうございます」と、
私は単にコンサートがあるという情報を伝えたにすぎなかったのだが、
それでもKさんは感謝していた。
そのくらいホルショフスキーのコンサートは素晴らしかったのだろう。
そう思いながら、Kさんの話を聞いていた。
ホルショフスキーのカザルスホールでのコンサートは、CDになった。
Kさんがあれほど感動していたのだからと、買って聴いた。
いまとなってずいぶん昔のことなのだが、
いまになって書いているのは、当日のコンサートがSACDで発売になったと同時に、
TIDALでMQA Studio(44.1kHz)で配信されるようになったからだ。
ひさしぶりに聴くホルショフスキーのライヴ録音。
1987年の録音だから、44.1kHzのPCM録音のはずで、SACDは変換しての制作であろう。
44.1kHzのPCM録音をDSDに変換することに否定的なわけではないが、
そこにメリットを強く感じているわけでもない。
私は、MQAにしてほしいと思う。