あるスピーカーの述懐(その44)
ヘンデルのメサイアを聴いている人がいる。
何度も聴く人生がある
メサイアを一度も聴かない人もいる。
音楽好きであっても、メサイアを一度も聴かずの人生がある。
メサイアでなくてもいい。
マタイ受難曲でもいい、ベートーヴェンの第九であってもいい。
クラシックにかぎらない。
昔から聴きつがれている曲、そしてこれから先もずっと聴かれていくであろう音楽に、
まったく触れない人生がある。
いい悪いではなく、そういう人生がある、というだけのこと。
スピーカーも、また同じだ。
メサイアを何度も鳴らすスピーカーもあれば、一度も鳴らさずのスピーカーもある。