Heartbeat Drummers of Japan(その2)
いまごろ、“Heartbeat Drummers of Japan”について書いているのは、
先日、このCDを手に入れたからということ、
そしてTIDALでも聴けるからである。
シェフィールド・ラボのCDだから、それほど数は売れていなかったと思う。
中古市場でも、これまで見かけたことはなかった(熱心に探していたわけでもなかったけれど)。
鼓動の録音は、TIDALでは“Heartbeat Drummers of Japan”以外もある。
MQAで聴けるアルバムもある。
“Heartbeat Drummers of Japan”は、井上先生が書かれているように、
パワーアンプにとって、かなりしんどいといえる録音だった。
《誰にでも容易に判るチェックポイントである》とあるように、ほんとうにそうである。
一発目の音はうまく鳴っても、太鼓の連打であるから、続く太鼓の音がダメになってしまう。
あくまでも感覚的なことでしかないのだが、
最初の一発目か二発目ぐらいで、電源部のコンデンサーがカラになってしまうような、
そんな感じすら受ける音のアンプもあった。
カラになってしまったコンデンサーからは、どうやっても絞り出すことはできない──、
そんな感じで、太鼓の音は鳴ってはいても、力がなくなっていく。
そして《モノーラル的にグシャグシャになり、ステレオフォニックなプレゼンスとは程遠いもの》、
ほんとうに、そういう音になってしまうアンプも、いくつかあった。
大型のパワーアンプで、いかにも電源部に物量を投入している、
そんな印象を与えるアンプでも、必ずしも満足のいく太鼓の連打を再現してくれるとはいえなかった。