Heartbeat Drummers of Japan(その1)
シェフィールド・ラボから鼓動(KODO)の“Heartbeat Drummers of Japan”が、
以前発売されていた。
1985年3月17日、20世紀フォックスでのスタジオ録音で、
同年、CD・とカセットテープで発売されていた。
ステレオサウンド 84号(1987年秋発売)の特集、最新パワーアンプ総テストで、
井上先生が試聴ディスクとして使われていたので、記憶にある方もいるだろう。
この試聴テストで、“Heartbeat Drummers of Japan”を知ったし、初めて聴いただけで、
かなりの回数聴いている。
“Heartbeat Drummers of Japan”は、この時、井上先生の試聴ディスクのなかでも、
かなり再生の難度の高い、といえた。
84号の139ページに、このディスクのチェックポイントが載っている。
そちらを参照してください、と書きたいところだが、
もう四十年近く前の号なので、引用しておこう。
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①は、約2分10秒あたりから始まる太鼓の連打を使いアンプの電源の能力をチェックしようというものである。②の大太鼓に比べれば、太鼓としてのスケールは小さいが、小さいだけに早い周期に鋭いアタックが繰り出されるために、電源が弱い場合にはすぐにピークが抑えられ、飽和し、クリップが始まり、明瞭に音が汚れる。特に、やや左側に位置する太鼓の音像が乱れ、モノーラル的にグシャグシャになり、ステレオフォニックなプレゼンスとは程遠いものになりやすいあたりは、誰にでも容易に判るチェックポイントである。この録音のピークレベルはかなり高いようで、声を基準に音量を決めると、予想以上に簡単にアンプは飽和し、クリップするようである。
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①、②とは、このディスクのトラックである。
①は三宅(Miyake)、②は大太鼓(O-Daiko)である。
64号では、②、③のチェックポイントについても書かれている。