B&W 800シリーズとオーディオ評論家(その17)
いまごろステレオサウンド 222号の特集、
「現代最先端スピーカー B&W 801D4大研究」をKindle Unlimitedで読んだ。
小野寺弘滋、櫻井 卓、三浦孝仁、和田博巳の四氏による座談会を読んで、
というよりもまず眺めて思ったのは、なぜ、ここに傅 信幸氏がいないのか、である。
傅 信幸氏は、この座談会だけでなく、特集にはまったく参加されていない。
私だけでなく、多くの人がなぜ? と感じたことだろう。
ほんとうになぜ? である。
傅 信幸氏はB&WのNautilusを愛用されている。
だからこそ、傅 信幸氏に801D4をどう評価するのか、
もっといえば、Nautilusと801D4と比較して、本心はどう思っているのか。
多くの読者は、そこが知りたいのではないのか。
Nautilusは4ウェイのマルチアンプ駆動で、
801D4は内蔵ネットワークのおかげでマルチアンプにしなくてもよい。
この二つのスピーカーシステムを鳴らすシステムの規模は、
だから大きく違ってくるわけで、
どちらがどれだけいいとかそうでないのとか、
そういう直接比較をするものではない──、そういう意見は納得できる。
けれど、ステレオサウンドの読者の本音は、そこがいちばん知りたいところに近いのではないのか。
傅 信幸氏は、801D4を聴いて、心が揺らぐことはなかったのか。
そういったことを含めた傅 信幸氏の本音を、
座談会で語ってほしかった、とおもうわけだが、
ステレオサウンド編集部は、なぜ傅 信幸氏を特集から外したのだろうか。