シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(パワーアンプは真空管で・その20)
直列型ネットワークを自作して、
トゥイーターとウーファーの接続の順番を入れ替えての結果を聴いて、
そういえば、あのスピーカーはどうだったのだろうか、と考えたのが、
BOSEの901である。
901はフルレンジユニットを九本直列接続している。
通常のユニットとは違い、901に使われているユニットのインピーダンスは0.9Ω。
つまり0.9Ω×9=8.1Ωとなる理屈である。
では、この九本のフルレンジユニットをどういう順番で接続しているのか。
901の中を見て確認したことはないなぁ、と思っていた。
おそらくだろうが、正面の一本がプラス側の最初にきて、
それから後面の四本+四本へと直列接続されていることだろう。
直列型ネットワークにおけるウーファーの位置づけにあたるのは、
901では正面の一本だと考えれば、
プラス側から後面の四本+四本と接続していき、
最後に、つまりマイナス側に正面の一本となるようにしたほうが、
好結果が得られるのではないだろうか。
実際に901でこのことを試したわけでもないし、
もしかすると最初から、こういう接続になっている可能性もあろう。
私の周りで901を使っている人はいないから確かめようはないが、
もしそうでなかったとしたら、接続の順番を逆にするだけで、
そうとうに901の音は変るはずだ。
内部をいじるのは好まないというのであれば、
スピーカーケーブルのプラスとマイナスを入れ替える。
このままでは逆相スピーカーになってしまうから、
システムのどこかがバランス伝送ならば、そこのところでプラス・マイナスを入れ替える、
D/Aコンバーターに極性の反転スイッチがあるならば、それを利用すれば、
システム全体としては正相となる。