ACアダプターという電源(GaN採用のアダプター・その3)
バッテリーは化学反応によって電気を起している。
それが直流であるから、連続した化学反応が起っていると捉えがちだが、
ほんとうにバッテリー内での化学反応は、一つの化学反応が連続しているのだろうか。
実際のところは、無数に近い一瞬一瞬の化学反応が起っているために、
一つの連続した長い時間の化学反応と捉えているだけではないのだろうか。
電子の移動によって電気が起るのだから、
電子の数だけの化学反応が起っていると捉えれば、
スイッチング電源の動作周波数が高くなっていくほどに、
バッテリー内の化学反応の状態に近くなっていくのではないだろうか。
実際のところ、動作周波数がどれだけ高くなれば、そういえるのかはよくわかっていない。
少なくとも20kHzとか50kHzではないだろう。
もっと高い周波数、私はなんの根拠もなしに1MHzあたりを超えたあたりから、
そういえるようになるのではないか──、
そんなふうにスイッチング電源について、ある程度の知識を得たころから、
そう考えるようになっていた。
GaN採用のACアダプター(スイッチング電源)は、1MHzくらいの動作周波数のようだ。
もっと動作周波数は高くなっていくのかもしれない。
2MHz、5MHz、そして10MHzとなっていったとしよう。
どこかにさらに大きく音が変るポイントがあるような気がする。
GaN採用のACアダプターが、理想の電源というつもりはないが、
かなり可能性を感じているし、
リニア電源が必ずしもスイッチング電源よりも優れているとも考えていない。
優れたリニア電源もあるし、優れたスイッチング電源もある。
これからスイッチング電源は、さらに優れたモノが出てくる可能性がある。