オーディオにおける「かっこいい」とは(その5)
別項「情景」(その10)」に、Tadanoさんのコメントがあった。
そこに、この項に関係してくることがある。
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一般の芸能ファンの女性に「このステレオで聴けば、君の大好きな西条クンの塗れた唇が、すぐそこに現れてくるよ。」「ほらほらほら見てごらん。わー、すごい・・・、光る汗が見えるようだね。」「あー、すごい!ツイーターとツイーターを結ぶこの中央の位置で聞いてごらん、あふれ出す煮汁のように西条クンの汗が噴き出して見えるよ」などとそそのかして聞かせたとしても、それはそれは煙たがられるわけです(笑)。
私のパートナーに言わせると「菅野沖彦くらい色男が言うのならば許されるが、クリープなマニアたちに言われたらぞっとする」のだそうです。彼女はZ世代のまったく新しいオーディオ・ファイルですが、21世紀のオーディオ・ファイルに一番言いたいことは「たのむからカッコつけて」ということでした。また、こうも言います。「ライダーマンのマシンが何キロ出るとか、どのジェダイが一番強いのかと論じている男の子は確かにかわいい。だけど、私たち(女性)はそこに着目しない。そうではなく、なぜライダーマンは半分人間なのか、ルークはどんな悲しみを背負っているのかという話が聞きたい。」
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Z世代とは、1990年代中盤から2010年代序盤までに生れた世代のことだから、
Tadanoさんのパートナーは、若い女性だ。
そのTadanoさんのパートナーが「たのむからカッコつけて」と、
21世紀のオーディオファイルにいいたい、とある。
オーディオがカッコいい、とは思っていないというオーディオマニアもいる。
意外と多いようにも感じている。
(その3)で書いているように、
オーディオの普及のためには、
オーディオを何も知らない人がみて、かっこいい、と思われないとダメだ──、
そんなことをソーシャルメディアに投稿している人もいる。
かっこいい、と思われないとダメだ、という人が思っているかっこいいと、
Tadanoさんのパートナーが感じるかっこいいとは同じではないように思う。
それに──、いくつかの例をあげようと思ったけれど、ばっさり省いてしまった。
いくつものズレを感じてしまう。
REPLY))
いつも長文ですが、ご高覧感謝しております。
カッコイイってなんだいと聞くと、私が思うカッコイイはこれですと見せてくれたのは宮崎さんの管理するfacebookの岩崎千明のページでした。彼女自身の言うところ、「この時代はイケメンぞろい。というかイケメンしかいない。私が言いたいのは生き様を含めてのカッコイイ。その道に打ち込んでいたり、情熱を感じる、そういう目に見えない大切な心の部分が、滲み出しているかということ。これは求めていないけれど、茶道や剣道などと同じように、音の道を行く人であれば更になお。」
宮崎さんがどこかでお書きになっていたように、表面的な部分は問題ではなく、もっと掘り下げた所にもう一つ扉があるようですね。