MQAのこと、オーディオのこと(その9)
世の中の大半のスピーカーは、ピストニックモーションによって、
電気信号を音(振動)へと変換している。
コーン型、ドーム型、ホーン型、コンデンサー型、リボン型など、
スピーカーユニットには多くの変換方式があるが、
これらはどれもピストニックモーションによるものだ。
ピストニックモーションのスピーカーがある一方で、
ごくわずかだがベンディングウェーヴのスピーカーも、昔から存在している。
割合でいえば一割にも満たないほど、ごく少数といえる。
現在、ベンディングウェーヴのスピーカーでよく知られているのは、
ジャーマン・フィジックスとマンガーである。
どちらも偶然なのだがドイツのメーカーだ。
ベンディングウェーヴを高く評価する人はいる。
けれど、これもまた少数派である。
私は、その少数派の一人である。
MQAの音を聴いていると、ふとベンディングウェーヴで聴いたら、
つまりジャーマン・フィジックスやマンガーのスピーカーで聴いたら、
どんなに素晴らしいだろうか、と思ってしまう。