Date: 11月 26th, 2021
Cate: 井上卓也
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marantz Model 7K, Model 9K(その4)

マランツは、Model 7、8B、9をキット化した。
それからModel 7と9は復刻版も出した。

けれどModel 10Bはキットも復刻版もない。
10Bの復刻は、そうとうに困難だろうからやらなかったのだろう。

マランツがキットを出したころ、
中古相場はModel 7よりも10Bのほうが高かった。
内部をみれば、Model 10Bが高かったのはわかる。

それから四十年ほど経ったいま、
Model 7の程度のよいものは、おそろしいほどに価格が上昇している。
それでも買う人がいるからなのだろう。

けれどModel 10Bは、それほどではない。
Model 7が逆転してしまっているどころか、
四十年前の中古の価格を知っている者からすれば、
ほとんど変っていない──、となってしまう。

あのころよりもFM局の数は増えた。
けれど、オーディオマニアにとって、FMに接する時間はずっと、というか、
もうほとんどない、という人が大半だろう。

私もFMチューナーは一台持っている。
岩崎先生が使われていたパイオニアのExclusive F3だ。
ときどき電源を入れて、動作しているのを確認するぐらいだ。

プログラムソースとしてのFMの重要性は、昔からすればずっと低くなっている。
中古製品の価格は、需要次第だ。

誰も欲しがらなければ、昔は高価だったModel 10Bも、
いまではお買い得といえる価格で購入できる。

10Bを手に入れても、きちんとメンテナンスするのは、
Model 7以上の手間と時間とお金がかかる。

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