MQAのこと、TIDALのこと(その4)
待たされることでいえば、映画に関しては、
話題作はほとんど待たされることはなくなっている。
日米同時公開は、もう当り前になっている。
それでもひさしぶりに待たされたな、と感じたのが、
「ワンダーウーマン1984」である。
昨年12月公開予定が、11月に繰り上げになった。
喜んでいたら、延期になった。
コロナ禍のために、その後も延期になり、
10月公開が決定されたかのように思われたし、
映画雑誌もそれにあわせて「ワンダーウーマン1984」の特集を組んだり、
表紙にするなどしていた。
けれどそれらの映画雑誌が発売になるころに、12月に延期の発表。
その12月の公開すら、来年に延期になるのでは、というウワサが流れ始めていた。
今日やっと正式に年内に公開されることが決定。
しかもアメリカよりも日本やいくつかの国のほうが一週間早くの公開である。
12月18日である。
ひさびさに「待った」という感じを味わった。
ほんとうに昔は、よく待っていた。
クラシックの録音のニュースがレコード雑誌に載っても、
発売されるまではけっこうな時間がかかることが多かった。
クラシックでは、ニューイヤーコンサートが録音されてから、もっとも早くの発売だったが、
それでも以前は数ヵ月は待っていた。
いまや、そんなに待たない。
というか、昔の感覚だと待ったという気すらしないほどに早く発売になる。
待つことが当り前の時代をおくってきた者には、
待たないですむということが、ありがたいことでもあるし、うれしくもある。
けれど、そんな待たない時代が最初から当り前の世代には、
それが当り前のことでしかないのだろうか。