瀬川冬樹氏のこと(バッハ 無伴奏チェロ組曲・その5)
スチューダーのパワーアンプ、A68は、昔から欲しいと思い続けている。
A68のコンシューマー用といえるルボックスのA740もいいけれど、私はA68を手にいれたい。
けれど、なかなか出てこない。
1982年1月、ステレオサウンドの試聴室となりの倉庫に保管してあったA68、
瀬川先生が使われていた、そのA68を見たのが最後で、
それ以降、どこのオーディオ店でもみかけることがないまま、ほぼ四十年。
ヤフオク!にも、以前出品されていたけれど、手持ちがまったくなく入札すらできなかった。
それから十数年、ほんとうにみかけない。
海外ではみかけることがある。
eBayでは、時々みかける。いまもある。
ほかのところでもみかける。
でも、写真をながめてみると、けっこうくたびれている感じがする。
四十年ほど前のアンプなのだから、新品同様を求めたいわけではないが、
どうなんだろう……、この個体は? とおもう。
いまさらA68でもないだろう、という気持は、私にもある。
それでもコーネッタを自分のモノとして、バッハの無伴奏を聴いてしまったら、
A68で鳴らしたら、どんなチェロの音色と響きが聴けるだろうか、と想ってしまう。
コーネッタが、A68へのおもいを強めてしまった。