オーディオと「ネットワーク」(情報量・その12)
インターネット以前は、あることに関する情報が、
どこにあるのかを知っているだけで、そのことの専門家とみられることがあった。
情報のありかはどうなのか。
インターネット以前は、そのことから調べなくてはならないことが多かった。
ここまでインターネットが普及しただけでなく、
SNS(ソーシャルメディア)の普及は、情報をありかを調べる(探す)ことは、
ほとんどなくなった、といっていい。
インターネット以前は、だから情報のありかを知っているだけの人が、
偉そうにしていたことすらあった。
ほかの世界ではどうだったのかは知らないが、オーディオの世界ではそうだった。
でも、情報のありかを知る人みながそうだったわけではない。
いとも簡単に教えてくれる人も、また多かった。
もったいぶるだけもったいぶって教えない、というのは問題外なのだが、
情報のありかをなかなか教えない、という人を、全面的に否定したいわけではない。
少なくとも、その人は調べる(探す)ことに、それなりの努力をしているわけだ。
いまでは、そうではなくなりつつある。
情報のありかを調べる(探す)能力を、
ほぼ失いつつある人が増えてくる(増えている)だろう。
情報のありかはすぐにわかるのだから、
そんな能力は、これから先は必要ではなくなる──、
ほんとうにそうなのだろうか。
そして、私が知識過剰だと感じる人は、
実のところ、情報のありかを自分で探し出すことができない人のような気がする。