Date: 8月 11th, 2020
Cate: Cornetta, TANNOY
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コーネッタとケイト・ブッシュの相性(その5)

こういうふうに聴こえる(感じとれる)というのは、
コーネッタでのケイト・ブッシュの再生が理想に近い、ということではない。

むしろ、コーネッタというスピーカーの演出によるものだ、と理解した方がいい。
同軸型ユニット、
それもアルテックとは違い、ウーファーのコーン紙が中高域のホーンの延長となっている、
そしてフロントショートホーン付きのエンクロージュアという、
現在の精確な音をめざしているスピーカーからすれば、古い形態のスピーカー、
むしろラッパと呼んだほうがぴったりくるものである。

そういうラッパ(スピーカー)で聴いての感じ方なのだから、
こういう聴こえ方でなければだめだ、とはまったく思っていない。

それでも、こういう聴こえ方が体験できる、ということに、
オーディオを長年やってきてよかった、と思う。

8月のaudio wednesdayの翌日に、
音を表現するということ(間違っている音・その11)」を書いたのは、
こういう音を聴いたからである。

もしかすると、こういう聴こえ方は、これっきりかもしれない。
それでもいい、と思っている。
とにかく私にとって、得難い体験であった。

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