Date: 8月 10th, 2020
Cate: Cornetta, TANNOY
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コーネッタとケイト・ブッシュの相性(その4)

8月のaudio wednesdayでは、
“Hounds of Love”と“Big Sky”の二曲を聴いた。
どちらもMQAで、12インチ・シングルヴァージョンである。

最初は“Hounds of Love”だけのつもりだった。
12インチ・シングルヴァージョンの“Hounds of Love”は、
通常のヴァージョンと比較してドラムスの鳴り方が違う。
ずっと迫真的に鳴ってくれる。

といっても、それはあくまでも12インチ・シングルを鳴らしての印象であり、
同じ曲であっても、CDで聴くと、そこは少しばかり後退する印象でもあった。

つまりコーネッタの低音の鳴り方にとって、やや意地の悪い曲である。
無理は承知で鳴らしたわけだ。

ここに関しては、予想通りもう一息だった。
悪くはなかったけれど、そこまで求めるのはコーネッタには酷でもあろう。

そのかわりというか、“Hounds of Love”で、
目をつむって聴いていると、舞台がそこにあるように感じられた。
まったく変な表現になるが、
そこでケイト・ブッシュが音楽によるパントマイムをやっているかようだった。

舞台があって、ケイト・ブッシュの演出がしっかりと感じられた。
ただ単に音がよく鳴っていた、というのとは違う。

コーネッタよりも、ずっと、音の良さという意味ではうまく再生するスピーカーはある。
それでも、そういうスピーカーでも一度も感じたことのない舞台が、そこにある。

なんとも奇妙な感じだった。
音を聴いているというよりも、舞台がまぶたの奥に浮んでくる感じだった。

この不思議な感じを確かめたくて、続けて“Big Sky”も聴いた。
まったく同じ印象だった。

7月に続いて、そうか、ケイト・ブッシュはイギリス人なんだ、と思っていた。
シェークスピアの国、演劇の国の人なんだ、と。

8月のaudio wednesdayで一緒に聴いて人たちが、どう感じていたのかは知らない。
私と同じように感じていたのか、まったく違うのか。

たぶん、こんなふうに聴こえたのは、私のひとりよがりなのだろう。
それでもいいのだ。
いままでにない聴こえ方で、ケイト・ブッシュが聴けた、ということ。

これだけで、コーネッタを手に入れた価値があったというものだ。

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