世代とオーディオ(実際の購入・その5)
「ロングランであるために(JBL 4311というスピーカー・番外)」で書いていることだが、
リンクをクリックしない人のほうが多いので、もう一度書いておこう。
中古も扱っているオーディオ店をのぞいていたら、
30代後半くらいにみえる店員と客との会話が耳に入ってきた。
客は店員の友人のようだった。
パソコンの画面をみながら、おおよそこんな会話をしていた。
「これ、かっこいい」
「いいでしょう」
「いい、いい、いくらくらいするの?」
「古いモノだから、けっこうボロボロでよければ四万から五万くらいからな」
「それでもいい、欲しい、かっこいいよ、これ」
ここまで聞いていて、いったいどのオーディオ機器のことなのかあれこれ考えていた。
ヒントはあった。
店員の「逆さまなんだけどね」だった。
あっ、あれかと思った。JBLの4311のことを話しているんだと気づいた。
「新しいモデル(4312)になって逆さまじゃなくなっているけどね」
「こっち(4311)がいい、かっこいい」
この人は、新品の4312と中古の4311、
どちらを選ぶかといえば、はっきりと4311である。
現在入手できる4311のコンディションと、
新品の4312とで、音を比較試聴すれば、4312のほうが現代的ないい音を出してくれよう。
4312Gは、いまかなり売れているそうである。
それでも、この人が気に入ったのは、音ではなく見た目での4311である。
この人の場合、中古の4311を探すことだけが選択肢となる。