世代とオーディオ(若い世代とバックナンバー・その4)
若い人が、古い本を読む。
その人が生まれる以前の古い本を読む。
それが書籍ならば、多くの人がそうであろう。
自分が生まれる前に書かれた小説や詩などを読んだりする。
けれど、それが雑誌となると、ちょっと違ってくる。
若い人が、古い雑誌を読む。
その人が生まれる以前の古い雑誌、
さらにその人の親が生まれる以前の古い雑誌を読む。
以前は国会図書館にでも行かなければ、そんな古い雑誌を読むことは難しかった。
けれど、いまではインターネットがあり、
古書店の検索も便利になっているし、オークションもある。
古い雑誌を手に入れる手段は増えているだけでなく、便利になってきている。
(その1)で、
そんな古い雑誌を若い人が読むのは、悪いこととはいえないけれど、
良いことだ、ともいえないことがある──、と書いた。
今回も同じことを感じた。
なぜ、そこまで古い雑誌を手に入れて読むのだろうか。
その気持はわからないでもないが、
ならば、その人と同時代の雑誌も積極的に読んでいるのか、と問いたくなる。
たまたま手に入れた古い古い雑誌を読んで、あれこれ思う。
別に悪いことではない。
そこには、その人なりの発見があったはずだろうから、
その人が興奮するのも無理はないが、
それは時としてエキゾティシズムに近いものに、そんなふうに感じているだけではないのか──、
そんな気がしないでもない。