虚構を継ぐ者(その2)
赤井商事が輸入していたころのインフィニティの広告に、
アーノルド・ヌーデルは語る
「生の音楽に到底かなわないのは
分っている。
要は、科学でどれだけ接近できるかだ。
だから、無限=インフィニティ。」
とあった。
おそらくだが、ヌーデルには、
瀬川先生のような「ナマ以上にさえ妖しく美しい音」という捉え方はなかったはずだ。
アーノルド・ヌーデルは物理学者である。
メーカーの人間であり、オーディオ機器を開発する側にいるわけだから、
これでいいわけだ。
われわれはオーディオマニアである。
どちら側にいるのか。