Date: 12月 18th, 2008
Cate: 4343, JBL
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4343と国産4ウェイ・スピーカー(その7)

APM8の型番は、Accurate Pistonic Motion を表している。
外観的には、SS-G9をそのまま平面振動板ユニットに置き換えたかのように見えるが、
このスピーカーの開発には約3年かかったときいている。

ハニカム振動板の平面型ユニットは、優秀な特性を示しているが、どうしても音的に満足できずに、
技術者は試行錯誤をくり返し、マイカ製のボイスコイルボビンを、
当初は裏側のハニカムスキンに接着していたものを、ハニカム素材を貫通させることで
表側のハニカムスキンを含め、振動板全体と接着することで、満足できる音が得られた、
と当時のソニーの広告には書いてあったのを思い出す。

高剛性のハニカム振動板だから、裏側だけで接着してもよさそうなものだし、
この違いは測定では検出できないにも関わらず、大きな違いとなってくる。
音とはそういうものだろう。

SS-G7、SS-G9、APM8で、AGバッフル採用のスピーカーは終ってしまう。
APMシリーズの第二弾APM6から、エンクロージュア全体がスーパー楕円へと変化し、
ソニーの4ウェイ・スピーカーは、SS-GR1(1991年登場)へと引き継がれる。

APM (Accurate Pistonic Motion) ──、これはソニーだけではない、
当時の国産スピーカーが懸命に目指していたものだ。

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