4343と国産4ウェイ・スピーカー(その8)
ビクターは、ずいぶんと早い時期に4ウェイ・スピーカーを開発している。
1970年前後に発売されていたBLA405とBLA-E40だ。
とはいえ、ビクターにとって、本格的な4ウェイ・スピーカーは、Zero1000が最初といっていいだろう。
Zero1000はブックシェルフ型というサイズの制限もあってだろう、ミッドバスユニットを備えた4ウェイではなく、
3ウェイ・スピーカーにスーパートゥイーターを追加した4ウェイ・スピーカーである。
このことは、Zero1000の1、2年後に出た3ウェイのZero100を見ても明らかだし、
ビクターのカタログにも、ミッドバスという表記はなく、
ウーファー、スコーカー、トゥイーター、スーパートゥイーターとある。
クロスオーバー周波数を見ても、そのことは明らかだ。
同じブックシェルフ型ながら、ミッドバス搭載の4ウェイ・スピーカーが、ダイヤトーンのDS505だ。
ダイヤトーンは1970年にDS301、74年にDS303を出している。
どちらも、3ウェイにスーパートゥイーターを追加した4ウェイ構成であり、
中低域の充実を図った4ウェイは、ダイヤトーンにとってDS505が最初である。