4343と国産4ウェイ・スピーカー(その6)
ソニーはSS-G7を発売した1976年の、第25回オーディオフェアに、PCMオーディオユニットを展示、
翌77年に、コンシュマー機としては世界初のPCMプロセッサーPCM-F1を発表・発売している。
ビデオデッキと組み合せることで、14ビットとはいえ、デジタル録音・再生を可能にしただけでなく、
マイクロフォン入力端子も備え、電源も交流/直流でも使える、可搬型という意欲作だった。
そして、ソニーは、フィリップスとともにCDを開発している。
推測でしかないが、SS-G7の開発のころから、
デジタル録音のプログラムソースを試聴に使っていたと考えても間違いないだろう。
さらにソニーは、新しいスピーカー解析技術も開発している。
この2つの事柄がなかったら、SS-G7は、
それまでの同社のスピーカーとそれほど変わらないもので終っていたかもしれない。
AGバッフル、ウーファーを前面に突き出させたプラムライン配置は、
デジタル時代の予測から生れてきたものかもしれない。
1979年に、ソニーはエスプリ・ブランドを誕生させ、APM8を発売する。