Date: 12月 19th, 2019
Cate: ヘッドフォン
Tags:

ヘッドフォン考(その6)

ステレオサウンド 72号(1984年9月)の特集、
「いま、聴きたい、聴かせたい、とっておきの音」で、
菅野先生がスタックスのSR-Λ Proのことを書かれている。
     *
私が人知れず、便利に使っている、とっておきの音を聴かせてくれるのが、このSRΛプロである。そして、ヘッドフォンとスピーカーの音の相違を通して、実に多くの音響的ファクターを類推することも面白くいろいろなことを学ぶことも可能である。
     *
SR-Λ Proが欲しかった、というより、
偶然にも野上さんが使われていたスタックスも、SR-Λ Proだった、ということだ。

火曜日の夜に、だから野上さんのところに行ってきた。
前回とは違いがあった。
音楽用のパソコンが、違っていた。

小型のパソコンで、音楽再生用にチューニングしてあるモノ、とのこと。
野上さんは、このパソコンが来て、音がまろやかになった、といわれた。

たしかに、第一印象はそのとおりだった。
まろやかになっていた。
ずいぶんまろやかになった、と思いつつも、
音の冴えのような要素が薄れてしまっているようにも感じていた。

何曲か聴いても、その印象は変化しない。
これはこれでいい、とは思うけれど、
私個人としては、まろやかさよりも音の冴えのほうを重視したい。

野上さんに「まろやかになっているけど……」と伝えると、
野上さんも同じように感じられていた。

どちらがいい音なのかは、聴く人によって判断が違ってこよう。
聴く音楽によっても違ってくる。

それでも私には、まろやかすぎるように感じる。
そんなことを話していたら、野上さんが「Aさんはヘッドフォンだから」といわれた。

小型のオーディオ専用パソコンを持ち込んだのは、Aさんである。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]