Date: 12月 19th, 2019
Cate: ヘッドフォン
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ヘッドフォン考(その5)

火曜日の夜から、ヘッドフォンで聴くようになった。
ここ数年、ヘッドフォン、イヤフォンといえば、
iPhoneに付属の白いイヤフォンだけだったが、
写真家の野上さんから、スタックスのコンデンサー型を格安で譲ってもらった。

最新型のスタックスではない。
1980年代のSR-Λ Pro + SRM-1/MK2 Proである。
SR-Λ Proの振動ユニットは一年ちょっと前に新品に交換されている。

火曜日の晩、帰宅後セットアップ。
といってもヘッドフォンアンプとヘッドフォンだから、楽である。

メリディアンの218の出力をSRM-1/MK2 Proに接ぐ。
SRM-1/MK2 Proに電源を入れた直後の音から聴きはじめる。

よくオーディオマニアのなかには、
電源を入れてすぐの音は、ウォームアップ以前の音だから、聴かないようにしている──、
そんなことをいう人がいる。

リスニングルームに、新しいオーディオ機器を導入したときも、
すぐには音を聴かずにウォームアップが進むまで、他のことをしているらしい。

でも、私は電源を入れた直後の音からしっかりと聴きたい。
自分で使うオーディオ機器のことである。
試聴室で聴くのであれば、時間的制約があるのであれば、そういう聴き方もいいが、
自分で使うのであれば、そのオーディオ機器のすべてを、
できるかぎり知っておきたい、と思うからだ。

電源を入れた直後の音から、
聴き続けることで、どのくらいの時間で、どのような変化をしていくのか。
筐体が冷えきった状態の音は、芳しくないことも多い。

そういう音をみない(きかない)ようにするのが、
オーディオへの愛情なのか──、と思う。
私は、そうではない、と思っている。

そういう人は、愛する人の寝起きの顔や、くたびれた表情はみない人なのだろう。

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