「言葉」にとらわれて(トーンアームのこと・その6)
ウィルソン・ベネッシュのCircleには、
ワンポイントアームがついている。
このトーンアームは、アームパイプがカーボン製で、
エクスポネンシャルカーヴを描いていることなどが、出た当時は話題になっていた。
でも私が注目したいのは、メインウェイトである。
おにぎり型といいたくなるメインウェイトの底辺の両端には、
直径1cmほどの金属棒がカートリッジ側に取り付けられている。
一般的にトーンアームのメインウェイトの形状は円柱である。
その方が使いやすい、調整しやすいからであろう。
おにぎり型のメインウェイトは、ややゼロバランスがとりにくい、といえばそうだし、
針圧を印加する際に動かすのも、ちょっと注意が要るといえば、そうでもある。
慣れればいいだけ、のことでもあるが、
ウィルソン・ベネッシュが、メインウェイトの形状をこのようにしたのは、
(その5)で触れたファイナルのKKC48と同じか、それに近い考え方からなのではないのか。