「言葉」にとらわれて(トーンアームのこと・その5)
ファイナル・ブランドといえば、
いまではすっかりイヤフォン・ヘッドフォン専門メーカーという色が濃いが、
以前は違っていた。
私のなかでは、アナログ関連のメーカーという印象が、いまも残っている。
KKC48という、トーンアーム用のアクセサリーがあった。
アームパイプの先端にとりつけるモノで、
いわば綱渡りの際の長い棒のような役割を果たすものだと、私は理解している。
実物を見たことはない。
広告の写真だけである。
オーディオ雑誌の記事で紹介されたのもみた記憶はない。
試してみたい、と思っていたけれど、試さず仕舞いだった。
綱渡りの棒と表現したが、おそらくそうであろう。
綱渡りの経験はないが、あの棒があるとないとでは、
綱を渡っていく人の困難さはずいぶん違うのではないのか。
ここではワンポイントサポートのトーンアームについて書いている。
ワンポイントサポートのトーンアームは、調整をきちんと行えるのであれば、
かなりいい結果も期待できる。
けれど、頭で思っている以上に、調整はそれほど簡単ではない。
理屈を理解して、コツをつかめば、巷でいわれているほど難しいわけではない。
それでも、もうすこし安定性をどうにかできないものかと考える時に、
KKC48のことが浮んでくる。
KKC48こそ、ワンポイントサポートのトーンアーム用アクセサリーといってもいい。
といっても試していないのだから、なんともいかないところは残るけれど、
考え方としては正しいはずだ。