ダイレクトドライヴへの疑問(その32)
テクニクスのSL01への興味はあった。
瀬川先生が43号で、
《もう一機種、明るい仕上げのモデルを併売してくれるとうれしい。またそれだけの価値は十分あると思う》、
47号では、《もっと明るい色なら自家用にしたい程》とまで書かれている。
SL01のカラー写真は何度も見ているにも関らず、
なぜかSL01の写真として浮ぶのは、43号の写真である。
ブランド名も型番もなしのSL01の写真であり、
たったこれだけの違いなのに、印象がずいぶん悪くなっていた。
実物を早くに見る機会があれば、そんな印象はすぐになくなってしまったのだろうが、
熊本ではSL01の実機を見ることはなかった。
なので瀬川先生のSL01への印象がそのまま残った。
1981年春、上京した。
SL01は、このころ製造中止になっていたのか、
東京のオーディオ店でもみかけなかった。
そんなに多くのオーディオ店を見てまわったわけではないから、
どこかにはあったのかもしれないが、縁がなかったのだろう。
とにかくSL01に関しては、43号の写真の印象が残ったままだった。
ながく残っていた。
明るい仕上げのモデルが併売してほしかった、と私も思っていた。
SL01はあまり売れなかったのか。
同じ価格ならば、同じ性能ならば、
この価格帯のプレーヤーを買う層には、大きいサイズのほうがよかったのか。
こんなことを書いている私だって、高校生のころは、
SL01のサイズの魅力をよくわかっていたわけではない。