「音による自画像」(1965年8月19日)
昨晩書こうと思ったけれど、
あえて一日ずらして書くことにした。
音による自画像について考えていくうえで、
これも自画像なんだ、と思っているのがある。
ジャクリーヌ・デュ=プレのエルガーのチェロ協奏曲である。
1965年8月19日に、ジャクリーヌ・デュ=プレは、
バルビローリ指揮ロンドン交響楽団と、エルガーのチェロ協奏曲を録音している。
EMIは、ジャクリーヌ・デュ=プレのエルガーを一度も廃盤にしなかった、ときいている。
この録音が終って、プレイバックを聴き終ったデュ=プレがなんといったのかは有名な話である。
なので、このエルガーをジャクリーヌ・デュ=プレの自画像とするのは、
どうか、と思わないわけではない。
けれど宿命的に自画像になってゆく。