オーディオ入門・考(Dittonというスピーカー・その9)
駅からの帰り道。
すれ違った小学中学年くらいの女の子とそのお母さん、それにお母さんの友だち、
と思われる三人組とすれ違った。
女の子が主張していた。
「映画館って、映画観るだけでしょ。何が楽しいの。観る以外何もないでしょ」と。
お母さんも、その友だちも苦笑いしているように見えた。
映画館は、女の子のいうように映画を観るところであり、
映画を観る以外の何かは、ほとんどない。
パンフレットを買ったり、上映中の映画の関連グッズが少し販売しているくらい。
あとは、おきまりのポップコーンくらいか(私は嫌いなので買わないけれど)。
私が、その女の子と同じくらいのころ、
映画はけっこうな娯楽だった。
近所の歩いて行ける名画座でもそうだったし、
バスに一時間ほど乗って、熊本市内のロードショー館でみる新作映画は、
もっともっと楽しい娯楽であった。
映画を観るだけ、であった。
それが、たまらなく楽しかった。
いまは、どうも違うのか。
それとも、その女の子だけが特別なのか。
その女の子と同世代の子たちも、同じように映画館をつまらない場所だと思っているのか。
この女の子は、映画館を、ディズニーランドとかのテーマパークと比較して、
そんなことを言っていたのか。