300(その7)
300WのMC2300は、500WのMC2500になり、
MC2500のブラックパネル(内部も改良されている)、
さらに600WのMC2600にまで発展していった。
パワーアンプとしても、MC2300よりもMC2500、
MC2500のシルバーパネルよりもブラックパネル、
そしてMC2600と優秀になっていっている。
MC2600はMC2500の系譜にあたる音(アンプ)である。
MC2300とMC2500(シルバー)、
MC2500(シルバー)とMC2500(ブラック)、
MC2500(ブラック)とMC2600の比較試聴はしているが、
MC2300とMC2600とは比較試聴したことはない。
その機会があったとしても、印象は大きくは変ってこない、と思う。
MC2300から始まった、このシリーズはパワーを増すごとにしなやかさに身につけている。
柔軟になってきた、ともいえる。
こんなふうに書いてきて気づくのは、オープンリールデッキのテープスピードのことである。
一般的に19cm/sec、38cm/sec、76cm/secがある。
76cm/secの音を聴いたことがある人は、ごくわずかだろう。
私もない。
19cm/secと38cm/secは何度も聴いているし、
このふたつのテープスピードによる音の違いも、まったく知らないわけではない。
19cm/secから38cm/secになったときの音から、
38cm/secから76cm/secになった音を想像すると、見当はずれになるようだ。
井上先生は、38cm/secの音を剛とすれば、
76cm/secの音は柔である、と表現されている。