Date: 5月 29th, 2018
Cate: 数字
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300(その6)

C27は、コントロールアンプとして必要な機能を、
最小限といってもいいトランジスターの使用数で実現している。

MC2300は、開発当時としては大出力であり最高出力といえる300Wの実現のため、
その時代のアメリカの製品らしく、惜しみなく物量を投入した結果のトランジスターの使用数である。

まったく対照的な設計思想といえるアンプが、
同じメーカーから登場しているわけだ。
それだけに音の傾向も、大きく違う。

私がMC2300の音を聴いたころには、
他のメーカーからも300W級のハイパワーアンプは登場していた。
MC2300を聴く前に、それらのアンプのいくつかを聴いている。

それでもMC2300の音は、衝撃だった。
暴力的といいかえてもいいように感じた。

300Wというスペック的には同じパワーであっても、
瀬川先生が書かれているとおりに、
《その底力のある充実したサウンドは、並の300W級が色あせるほどの凄みを感じさせる》。

MC2500の500Wは、その点、ソフィスティケートされている。
アンプとしても、MC2300よりもずっと優秀になっている。

よほどの低能率のスピーカーと組み合わせるのであれば、
500Wという出力の大きさが活きてこようが、
90数dBクラスのスピーカーであれば、
300Wと500Wの違いは感覚的には感じとりにくいどころか、
むしろMC2300の300Wのほうが、音と対峙する世界といえるほどに衝撃的である。

MC2300とMC2500、
SAEのMark 2500とMark 2600、
どちらにおいても、300Wのほうに、私は惹かれてきた。

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