妄想組合せの楽しみ(自作スピーカー篇・その7)
LS5/1をみていくことではっきりしてくるのは、指向特性を、
LS5/1以前のスピーカーシステム以上に重要視していることだ。
周波数特性が、振幅特性だけでないことは、別項で書いた。
位相特性も関係してくる。
スピーカーシステムにおいては、そこに指向特性も大きく関係してくる、といってもいいだろう。
無響室でスピーカーシステムの正面軸上では周波数特性に、ほとんど指向特性は関係していない。
けれど、われわれがスピーカーシステムを設置する部屋は、どんなに響きの少ないデッドな部屋でも、
無響室とはまったく異る空間である。
そこに置いて鳴らす以上は、周波数特性に関係してくる項目のひとつとして、指向特性は決して無視できない、と
BBCモニターの開発陣は、考えたように私は思う。
LS5/1が開発され、最初のモデルが登場したのは1958年ごろ。
すでにステレオ録音は登場していた。
このこともLS5/1の指向特性重視の設計に関係しているように思っている。