「菅野録音の神髄」(その2)
菅野先生は挨拶をされて、すぐに楽屋にひっこまれた。
それからアキュフェーズと B&Oのスタッフによる器材の説明があって、
「菅野録音の神髄」が始まる。
最初にかけられたのは「5 Saxophones」だった。
この曲だろうな、と思っていた。
菅野先生のリスニングルームでも、「5 Saxophones」だったからだ。
もちろんSACDである。
それから「SIDE by SIDE 2.」、
そして「THE DIALOGUE」、
最後にアナログディスクで、宮沢明子によるモーツァルトのピアノ協奏曲だった。
四枚のディスクのあいだに江崎友淑氏の話があった。
「5 Saxophones」は菅野先生のところで 何度も聴いている。
その音が、私のなかではリファレンスとなっている。
なにも、菅野先生のリスニングルームで鳴っていた音のままで、
「5 Saxophones」が鳴るとは思っていない。
けれど、そうとうに違う。
録音の優秀さは伝わってきても、「5 Saxophones」の楽しさは、残念ながら伝わってこなかった。
音量も低めだな、と思っていた。
菅野先生は、けっこうな音量で鳴らされていた。
その音量も、私にとっては基準のひとつになっている。
「SIDE by SIDE 2.」のピアノはよかった。
いちばん残念だったのが「THE DIALOGUE」だった。