Date: 12月 21st, 2017
Cate: ロマン
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オーディオのロマン(その14)

オーディオ店に行って、そこで鳴っていた音を聴いた、とする。
試聴ディスクを持っていき、店員にかけあって音を聴かせてもらう、とかではなく、
ただふらっと店に入って、そこで鳴っていた音を聴いただけである。

それでも、オーディオマニアの中には、音を聴いた、ということにしてしまう人がいる。
そこで、その人は、どうカウントするかというと、
スピーカーで一機種、当然、アンプとプレーヤーが必要になるから、
アンプで一機種、プレーヤーで一機種、
カートリッジは付属していないプレーヤーだったりすると、
そこに取り付けてあるカートリッジで一機種、
計四機種のオーディオ機器を聴いた、と数える。

アンプがプリメインアンプではなくセパレートアンプだとしたら、二機種に増え、
トータルで五機種聴いたことに、その人の中では、なってしまう。

さらにアナログプレーヤーも、ターンテーブル単体とトーンアーム単体を組み合わせたモノだと、
カートリッジ、トーンアーム、ターンテーブルで三機種となり、
計六機種のオーディオ機器を聴いたことに、その人のなかでは、なってしまう。

そうやって聴いた総数を数えて、
千機種以上のオーディオ機器の音を聴いた、とか、
もっと多くのオーディオ機器の音を聴いた、と自慢している人が、
昔いたのを知っている。

聴いた、といえば、聴いている、ということになるのか。
そんなのは聴いたうちに入らない、と考える人もいる。
どんな条件であろうと、聴いたのだから、聴いた数にかぞえる、とする人もいる。

そうなると、どれだけのオーディオ機器を聴いていたのか、
一部のラーメン・ブロガーの水増しと変らない、というよりも、
もっとひどい、といえる。

オーディオ機器は、それ単品では音を聴けない。
スピーカーがあって、アンプ、プレーヤーがあって、はじめて音が鳴ってくる。

一口でも食べたラーメンを一杯とカウントするのと、
システムを構成するオーディオ機器をひとつひとつ数えて、
三機種なり四機種……、もっと多くカウントしてするのと、
どちらが水増し感がひどいかというと、後者である。

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