世代とオーディオ(JBL 4301・その21)
JBLのControl 1を、BOSEの101の後追いしての製品、という書き方をしたが、
二番煎じ、とは書かなかった。
1978年ごろ、オーラトーンから5Cというキューブ型の小型スピーカーが登場した。
12.5cm口径のフルレンジユニットを、
外形寸法W16.5×H16.5×D14.6cmのエンクロージュアにおさめたもので、
価格は二本一組で33,000円だった。
けっこう売れていた。
類似製品も登場した。二番煎じといえる製品である。
けれど、5Cよりも売れていた、とは思えない。
成功したのは5Cのみで、二番煎じで成功といえたモノはなかった、と記憶している。
BOSEの101は101は11.5cm口径のフルレンジ。
エンクロージュアは、木製ではなく樹脂製で、
サイズも形も5Cとは違う。
後追いといえば後追いといえる101だが、5Cの二番煎じとはいえない。
そう思っていた人は少ない、と思う。
101を5Cの二番煎じだとすれば、Control 1は5Cの三番煎じということになるのか。
誰もそんなバカなことはいわないだろう。
5Cと101は、はっきりと違う。
101とControl 1も、はっきりと違う。
4301には、登場時、高校生だった私は思い入れがある。
101には思い入れはない、Control 1も同じだ。
Control 1が登場したとき、私もがっかりした。
JBLも、この手の製品を出すようになったのか、と思った。
けれど時が経ち、4301への思い入れを切り離して見ることができるようになって、
Control 1をふり返ってみれば、そうとうに考えられたスピーカーかもしれない、と思える。
安易な二番煎じとは映らない。