トーンコントロール(その4)
3バンドのトーンコントロールということで思い出す機種がまだある。
エスプリ(ソニー)のSE-P900である。
1981年の発売、
ソニーはSE-P900をアコースティックイコライザーと呼んでいたから、
トーンコントロールと称しては失礼かもしれないが、
3バンドのパラメトリックイコライザーである。
当時のソニーの広告を見ればわかるが、かなりの力作といえる。
価格は200,000円だった。
この年の秋、テクニクスからSH8065が登場した。
33バンドのグラフィックイコライザーで79,800円、
翌年にSH8075が100,000円で登場している。
パラメトリックイコライザーとグラフィックイコライザーはひとくくりにできないが、
3バンドで20万円、33バンドで10万円。
そういう製品だけに、SE-P900の広告では、次のように謳っていた。
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感性を生かしたカラーレーションを試みてほしい。
と主張する以上、このイコライザーのクオリティ
TA−E900と同等(ベストペア)に仕上げてあります。
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TA-E900とはエスプリ・ブランドのコントロールアンプで、600,000円していた。
SE-P900は、もっと話題になってもおかしくない製品だった。
けれど、ほとんど話題になることはなかった、と記憶している。
SE-P900の三年後に登場したチェロのAudio Paletteは、あれだけ話題になったのに……、
といまはおもう。