Date: 9月 10th, 2017
Cate: アナログディスク再生
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アナログディスクのクリーニング(その3)

アナログディスクそのものを完全に理解しようとするならば、
化学的知識も非常に重要になってくる。
アナログディスクそのもののケア、クリーニングに関してはそうである。

アナログディスクは化学的物質であり、
それゆえに生き物的であるともいえる。

といっても私も化学的知識に詳しいわけではない。
なので受け売りなのだが、
アナログディスクの主材料の塩化ビニール(PVC)と酢酸ビニール(PVA)の化学的な結合は、
多くの炭素鎖が結び合っている状態であり、このチェーン結合は、
再生時に針先から単位面積当りかなりの圧力と、瞬間的ではあっても100度をこえる熱を受ける。

これによりチェーン結合が短く破壊される。
この状態の穴すぐディスクは硬くなり、弾力性を失った状態である。

これを防ぐのが、安定剤である。
この安定剤と化学的な結合をしやすいのが、蒸留水とアルコールであり、
化学的な結合ということは、安定剤の破壊ということである。

乾式のクリーニングでは取りきれない汚れに対しては湿式は有効である。
湿式では蒸留水とアルコールを使うことが多く、そういうリスクがある。
そのことを知らずにクリーニングをくり返すことの、長期的な怖さは頭に入れておくべきである。

化学に詳しくない私でも、この程度のことは頭に入っているわけだから、
化学の専門家がこれらのことを踏まえてクリーニング液を作っているのであれば、
問題はないのかもしれない。

その見極めは、だから肝心であり、
そのためには化学的知識がそれなりに求められる。

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