JBLの型番(4301)
4301は1977年ごろに登場したJBLのもっとも小型なモニタースピーカーだ。
4343に憧れていた10代の私にとって、手が届きそうで届かなかったスピーカーでもあり、
そのことは別項「世代とオーディオ(JBL 4301)」で書いている。
この4301という型番、
じっと眺めていると43分の1というふうに読めないこともないな、と思えてくる。
1/43といえば、ミニカー(ミニチュアカー)のいわば標準的な縮尺である。
いまでは1/18、1/12といった縮尺が増えているけれど、
もともとがOゲージのアクセサリーが原点なのだから、1/43が標準縮尺といえる。
4301という型番を43分の1というふうに捉えると、
このスピーカーが4300シリーズで小型だったことも、
その位置づけもはっきりしてくる。
そして4343。
43分の43、つまりは1である。
4343こそ縮尺なしのスタジオモニターということになり、
同時代の4350は43分の50で、4343の約1.16倍の拡大モデルということも、
うまくあてはめられる。
4300シリーズの43に、ミニカーの縮尺の意味合いはまったくないはずだ。
それでもこうやってあてはめてみることができることに気づくのが、
型番についてぼんやり考える楽しさともいえる。