Date: 3月 5th, 2017
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いい音、よい音(その3)

ある料理を、複数の人で食べたとする。
料理でなくともいい、日本酒であったり、ワインであったり、他の食べ物、飲み物でもいい。

とにかく同じものを、複数の人で食べる(もしくは飲む)。
これは、複数の人が同じ食べ物(飲み物)を食べた(飲んだ)、といえる。

口にいれた食べ物(飲み物)をどう感じるかは、人によって違うところがある。
それでも同じ食べ物(飲み物)を口に入れた、といえる。

音はどうだろうか。
同じ部屋で同じ時間に、ある音を聴く。
座る位置で音は違うから、くり返し同じディスクを鳴らして、
みな同じ位置で音を聴く。

理屈でいえば、みな同じ音を聴いた、といえるのだが、
感覚的に、ほんとうにそういえるだろうか、と思ってしまう。

同じ音を聴いたとしても、感じ方は人それぞれであることは、
食べ物(飲み物)と同じであるのもわかっている。

そういうこととは少し違うところで、人は同じ音を聴けるのだろうか、という疑問がある。

人それぞれ感じ方が違うから、結果として違う音を聴いていた、とはいわない。
それでは食べ物(飲み物)にも同じことはいえる。

いまはまだうまく説明できないのだが、食べ物(飲み物)と同じにはいえない性質が、
音にはあって、そのことによって、同じ音を複数の人が聴くことはできないのではないのか。

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