Hi-Resについて(その8)
別項「オプティマムレンジ考」で少し触れたが、
現在のオーディオ機器のセパレーション特性はどの程度確保されているのだろうか。
昔のステレオサウンドではアンプの特集であれば測定結果があって、
そこには歪率とともにセパレーション特性もあったりした(ないこともあったけれど)。
大半のアンプが高域にいくにしたがってセパレーション特性は悪くなる。
クロストークが増えるわけである。
クロストークをなくすにはシャーシーから完全に分離したモノーラル構成にするしかない。
デュアルモノーラルコンストラクションを謳っていても、
ひとつのシャーシーに2チャンネル分のアンプ(回路)がおさまっている以上、
完全なセパレーション特性を得ることはできない。
ハイレゾリューションそのものはけっこうなことである。
でも安易にサンプリング周波数を上げて、再生周波数の上限を拡げていくことは、
デメリットもついてくるということを考えなければならない。
現在のアンプのセパレーション特性はどうなっているのだろうか。
20kHzまでフラットなセパレーションが確保されているのか。
それから20kHz以上になると、どうなっているのか。
なぜオーディオ雑誌では、ハイレゾ特集を行うときに、アンプの測定を行わないのか。
20kHz以上の特性についての綿密な測定は、これから重要になるのではないか。
20kHz以上の信号とノイズが、アンプの動作にどう影響を与えるのか。
セパレーション特性だけでなくTIMも含めて検証してみるべきである。