「正しい音とはなにか?」(チェックディスクのこと)
アナログディスク全盛の時代から、オーディオチェックディスクと呼ばれるものが、
レコード会社各社から出ていた。
CDになってからも、各社から出ている。
最近思うのは、逆の意味のオーディオチェックディスクが必要なのではないかだ。
たいていのオーディオチェックディスクに収録されているのは、音の良さを誇る録音である。
私が必要かも……、と考えるのは、
間違っている録音手法を収めたディスクである。
別項「耳はふたつある」の(その4)で書いたマイクロフォン・セッティングによる録音。
ワンポイント録音でも、左右のマイクロフォンを水平ではなく斜めもしくは垂直にしたら、
いったいどういう音になるのか。
マルチマイクロフォンで、一本もしくはいくつかのマイクロフォンを逆相にしたら、
いったいどういう変化が現れるのか。
不安定なマイクロフォンをスタンドを使うと、どうなるのか。
他にもいくつかあるが、
とにかくダメな録音の見本といえるディスクを、どこか制作してくれないだろうか。
ワンポイント録音なのに、
マイクロフォンの水平をまったく気にしない人がいるのは、
ダメな録音手法による音を意識的に聴く機会(確認する機会)がないことも関係していよう。